顔面神経麻痺(ベル麻痺・ハント症候群)
朝起きたら口が曲がっていた、目が閉じられないといった症状は、顔面神経麻痺のサインかもしれません。回復には早期の治療開始が非常に重要です。武蔵浦和耳鼻咽喉科(さいたま市南区)では、顔面神経麻痺の診断・治療を専門的に行っておりますので、気になる症状があればお早めにご相談ください。
顔面神経麻痺(ベル麻痺・ハント症候群)とは
顔面神経麻痺(ベル麻痺・ハント症候群)とは、顔の表情をつかさどる顔面神経(第VII脳神経)が何らかの原因で障害され、片側の顔面筋が動かしにくくなる疾患です。
最も多いタイプがベル麻痺で、単純ヘルペスウイルスの再活性化が主な原因と考えられています。一方、ハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスによるもので、耳の強い痛みや耳介・外耳道の水疱(帯状疱疹)を伴い、めまいや難聴を合併することもあります。どちらも片側の顔面筋麻痺を来しますが、ハント症候群のほうが重症化しやすく、後遺症が残りやすい傾向があります。
顔面神経麻痺は発症から72時間以内の治療開始が回復の鍵となります。「顔が曲がった気がする」「目が閉じにくい」と感じたら、さいたま市南区の武蔵浦和耳鼻咽喉科へお早めにお越しください。
こんな症状はありませんか?
以下のような症状が突然現れた場合は、顔面神経麻痺の可能性があります。
- 口が曲がる・食事や飲み物がこぼれる
- 目が完全に閉じられない・まばたきがしにくい
- 額(おでこ)にしわが寄らない・片側だけ動かない
- 耳の後ろや耳介(耳たぶ周辺)に強い痛みがある
- 耳介・外耳道に水ぶくれ(水疱)ができた
- 音が響いて不快に感じる(聴覚過敏)
- 食べ物の味がわかりにくい(味覚障害)
- めまいや聞こえにくさを伴う
これらの症状のうち、顔面の動きに関わるものは脳卒中(中枢性顔面麻痺)との鑑別が必要な場合もあります。しびれや言語障害・意識の変化を伴う場合はすぐに救急受診をご検討ください。
原因・発症のメカニズム
顔面神経は耳の奥にある細い骨の管(顔面神経管)を通っています。ウイルス感染や免疫低下によってこの神経が炎症を起こし腫れると、骨管の中で圧迫されて麻痺が起こります。
ベル麻痺の原因
主な原因は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の再活性化です。過去に感染したウイルスが神経節に潜伏しており、過労・睡眠不足・強いストレス・免疫低下などをきっかけに再び活動を始めます。突然発症することが多く、前触れとして耳の後ろのズキズキした痛みを感じることがあります。
ハント症候群の原因
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化が原因です。子どもの頃に水ぼうそうにかかった際のウイルスが神経に潜伏し、免疫が低下したときに帯状疱疹として発症します。顔面麻痺に加え、耳の激痛・耳介の発疹・難聴・めまいが現れるのが特徴で、60歳以上や免疫低下状態の方に起こりやすいとされています。
その他の原因・リスク因子
- 慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎(耳の炎症が神経に及ぶ)
- 外傷(側頭骨骨折など)
- 腫瘍(聴神経腫瘍・耳下腺腫瘍など)
- 糖尿病・妊娠(血行障害・免疫変化)
- 過度の疲労・睡眠不足・精神的ストレス
※顔面神経麻痺の約70〜80%はベル麻痺とされていますが、原因を確認するためには耳鼻咽喉科での専門的な検査が必要です。
当院での診察・治療方針
武蔵浦和耳鼻咽喉科では、顔面神経麻痺の重症度を正確に評価したうえで、早期治療を開始することを重視しています。
STEP 1|問診・耳の診察
発症時期・症状の経過・既往歴(糖尿病・帯状疱疹歴など)を詳しく確認します。耳鏡・内視鏡を用いて外耳道・鼓膜の状態(水疱の有無など)を丁寧に観察し、ベル麻痺かハント症候群かの鑑別を行います。
STEP 2|麻痺の程度を評価する検査
麻痺の重症度を客観的に評価するため、顔面神経麻痺のスコアリング(柳原法など)を行います。必要に応じて聴力検査・アブミ骨筋反射検査・味覚検査なども実施し、神経のどの部位が障害されているかを推定します。
STEP 3|薬物療法(早期開始が重要)
治療の中心はステロイド薬(副腎皮質ホルモン)による炎症・浮腫の軽減です。ハント症候群またはウイルス関与が強く疑われる場合は、抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)を併用します。発症から72時間以内の投与開始が回復率を高めるとされているため、疑わしい症状が出たら迷わずご受診ください。
STEP 4|目の保護・合併症ケア
目が閉じられない場合、角膜の乾燥・傷(露出性角膜炎)を防ぐため、人工涙液点眼・眼軟膏・眼帯などの保護が必要です。必要に応じて眼科との連携も行います。
STEP 5|経過観察とリハビリ
治療中は定期的に麻痺の改善度を評価します。回復期には表情筋のリハビリテーション(鏡を見ながらの表情訓練)も重要です。重症例や6ヶ月以上改善しない場合は、高次医療機関(大学病院など)への紹介を検討します。
| 診療内容 | 概算費用(3割負担) |
|---|---|
| 初診料+問診・耳の診察 | 約1,000〜1,500円 |
| 聴力検査・アブミ骨筋反射検査 | 約500〜1,000円 |
| ステロイド薬(内服・5〜10日分) | 約200〜600円 |
| 抗ウイルス薬(内服・7日分) | 約400〜1,200円 |
※上記はあくまで目安であり、検査内容・処方内容・受診回数によって異なります。詳しくは受診時にお問い合わせください。
よくあるご質問
顔面神経麻痺は何科を受診すればよいですか?
耳鼻咽喉科が第一選択です。ベル麻痺・ハント症候群はいずれも耳鼻科が専門領域であり、聴力検査や耳の診察も合わせて行うことができます。脳卒中など中枢性の原因が疑われる場合は神経内科・脳神経外科への紹介を行います。武蔵浦和駅近くの当院でも対応しております。
顔面神経麻痺は自然に治りますか?
軽症のベル麻痺は自然回復することもありますが、回復には数週間〜数ヶ月かかります。重症例や適切な治療が遅れた場合は後遺症が残る可能性があるため、症状に気づいたら早めに受診してください。
ベル麻痺とハント症候群の違いは何ですか?
ベル麻痺は単純ヘルペスウイルスが原因で顔面麻痺のみが主症状です。ハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で、耳の痛みや耳介の水疱(帯状疱疹)を伴い、めまいや難聴が起こることもあります。ハント症候群のほうが一般に重症化しやすい傾向があります。
顔面神経麻痺の治療はどのくらいかかりますか?
軽症では1〜2ヶ月程度で回復することが多いですが、重症例では半年以上かかる場合もあります。治療開始が早いほど回復が良好とされているため、症状が出たらすぐに受診することが大切です。
顔面神経麻痺の治療中に気をつけることはありますか?
目が閉じられない場合は角膜保護のため人工涙液の点眼や就寝時の眼帯が必要です。また、過労・睡眠不足・ストレスは回復を妨げるため、安静を心がけてください。医師の指示に従ったリハビリ(表情筋訓練)も回復を助けます。
